長女誕生


2001年9月27日の朝、かみさんの寝起きの行動が怪しい??
なにやら・・「ありゃぁ」とか「うわっ」などに似た言葉を発していた。
勘の良い私は、「もしかしたら・・産まれる前兆でも来たのかな?」とは思ったが・・
寝ぼけている私の空耳か?それとも明け方の夢??だって予定日まであと2週間あるじゃん!!
とにかく私はそのまま寝ていた。

起きてから、かみさんが深刻な顔で・・「おしるしがきちゃった・・」??
我に返り、さっきの「ありゃぁ」とかの言葉が、空耳でも夢でも無いことが分かり。
そこではじめて、事の重大さに気づく!!

この週に入り、突然我が家は忙しさのピークに来ていて、私の両親もこの日は一日中抜けられない
用事があり。
かくいう私も、今週から始まった仕事がまだ残っていて、私一人で仕事現場に行かねばならない・・
前日あたりから「たのむから、今週は産まないでね」等と、かみさんに冗談混じりで言っていたが
まさに、いまその状況にあるかみさんに、かける言葉が見つからない・・・

とにかく、この状況をどうするか??
あせる私を後目に、「朝、おしるしが来ただけだから、今すぐに産まれるわけじゃないよ」というかみさん・・
それは武尊の時にもそういわれたので、分かっていたが・・・
会う人々に「2人目のお産は早いからねぇ」とか、「陣痛が来たらすぐに病院行かなきゃだめだよ」
等のありがたい脅しを日々聞かされているだけに、かなりの不安がある。

私も、両親もとにかく抜けられないので、どうするか悩んでいると
さすがに「亀の甲より年の功」母親が、姉に連絡・・どうやら、姉は午後休みをとってくれたらしい。

これで、万が一にそなわった!!(ホッ)

多少の不安は残る物の、現場に向かう私・・
前日までのがんばりのおかげで、本日は仕上げのみの仕事とはいえ、簡単に終わる仕事ではない。
一刻も早く、仕事を切り上げ、家に帰りたい私は、いつもの3倍のスピードで仕事をこなす!!
だが決して手を抜かないあたりは、さすが私である!!

いつもなら、3時まではかかるであろう仕事を、なんと11時前に終わらせた!!
人間やる気になれば出来るもんである!!
「さすがは職人!!」だれも誉めてくれないので、自分で誉める・・(涙)

とにかく、家に向かう
家に着くと・・なんと!!・・・家中の掃除を始めているかみさんの姿が目に入った・・
しかも、床のワックスがけまで??
さすがの職人の私も、自分の目を疑ったが・・紛れもなく掃除をしている・・完璧なまでに!!
「なーに考えてるんだ!!」怒る私
「動いていた方が、お産が楽なの!!」言い返すかみさん・・
たしかにそんな迷信も聞いたことあるが・・それにしても、今まさに陣痛を待っている妊婦のなせる技じゃないだろ!!
さすがの職人も頭が下がる・・m(_'_)m

一通り掃除を終え、とにかく落ち着いてみる・・
「まぁ、昼御飯でも買いに行くか」てなわけで、直前妊婦を助手席に、電気屋さんとセブンイレブンに買い物に行く。
買い物から帰って、ご飯を食べて落ち着いていると・・やっぱり落ち着かない??
なぜって??いつ来るか分からないが、すぐそこまで迫っている「陣痛」を待っているのは、本当に胃が痛くなるのである。

「動ける内に、用事を済ませるか!!」「まずはビデオを返しに行こう!!」「その後はパソコン屋にいこう」
と一連の予定が決まり、車を出す・・
直前妊婦の行動では無いが・・家にいるよりは多少気分転換になる

その車中での会話
「本当に、2人目って早く産まれてくるのか??」と私
「その人によって違うんじゃない??」とかみさん
武尊の時も思ったが、やっぱり出産って奥が深いと言うか・・理解しがたいものである。

で・・また家に帰ると重い空気・・「胃がいたい」
私が「そろそろ武尊向かえに行って来るか」といって保育園に向かえに行く。
時は午後4時・・いまだ陣痛はこない・・
夕方6時になってもこない・・

とりあえず私は、出産が近いと断っておいた6時からの用事に出向く。
その用事から帰ってきたのは、7時30分を回っていた・・家にはかみさんの父親も心配で来ていたが
娘があまりに元気なので(病気じゃないので当たり前だが)安心した様子。

ひとまず、大事をとって、この日はいつもよりも早めに床につく


2001年9月28日

午前2時・・かみさんの行動が怪しい・・
トイレに行ったり・・座椅子に座ってみたり・・
どうやら陣痛が来たらしい
私も起き出して、「やっと陣痛来たか??」との問いに
「わかんない・・陣痛ってこんな感じだっけ??」聞かれても私が分かるわけがない
陣痛の間隔は、まだ長いが、時間も時間だし・・「病院に電話してみたら??」と言って婦人科に連絡する
すると・・・「今から来てください」との答えが返ってきたらしく、やっとその気になったかみさん

武尊はまだ寝ているので、バーバを起こしてきて「今から病院行くから、武尊よろしく」と武尊を任せ
私とかみさんは寝ている武尊に、かるくキスをして病院に向かう。

向かう途中・・「お腹空いた」と言っているので、コンビニによる・・・
そこでなんと!!「あんまん食べたい」等とほざき、あんまんを食う出産直前妊婦の姿があった。

午前2時30分病院到着
すぐに診察して貰うと、「この痛みは、陣痛です」との診察・・??即入院である。
診察で陣痛が分かるの??本人すら陣痛かどうか分からないのに??
医学ってすごいねぇ・・等と感心している私。

とにかく、入院準備はしてきたので、病室に向かう
看護婦さんから「痛くなったり、破水したりしたら、ナースコールね」と言われとにかく寝ることにするが・・
1時間おきに看護婦さんが診察に来てくれるので、安心して私は眠っていた・・・しかも口を開けて・・いびきまで・・??でも・・半分は起きてましたよ!!

で・・朝7時頃
やっと、目が冴えてきた私・・「どうだ??」という私の問いに
かみさんは「わかんないけど・・陣痛は来てるみたい・・でもあまり痛くないの」うーん??
「2人目は、陣痛来てからすぐ産まれて・・しかも陣痛も1人目よりも痛いんじゃないのか??」
やっぱり、出産は奥が深い・・・
ひとまず、元気そうでなによりである。

そのまま、時は刻まれて・・午前10時頃
「やっと少しも痛み出してきたし・・間隔も短くなってきた」とのかみさん
でも、武尊の時のような痛みは無いらしい・・

看護婦さんに「5分おきに陣痛が来たら、下に来てね」と言われたが・・
いっこうに間隔が安定しない・・3分だったり・・15分だったり・・・
午前11時頃・・やっと、間隔が安定して5分くらいになってきた!!
でも・・痛みはあまりすごくないらしい??
とにかく、5分おきなので、ナースステーションに向かう
午前11時20分頃
10分ほどの診察後「分娩室に入りますので」と看護婦さん・・・
「え??もう??」目を丸くする私・・・
病室に戻り出産準備品を持ってくる・・
午前11時30分
かみさんが、分娩室に入る・・・廊下で待っている私・・やっぱりかっこいいかも??

ひとまず、家族と友達に報告の電話やメールを入れる・・その間約10分
また、待合室に戻ると・・なにやら分娩室の中から「おめでとうございます」という声がする
赤ん坊の泣き声も・・かすかに聞こえる・・
まさか??まだ10分くらいだよ・・あ!!そうか、もう一人分娩室に先客がいたのか??
そのまま待つこと数分・・分娩室の中から
「おめでとうございます!!3118グラムの女の子です」と、一人のかわいい生まれたての赤ん坊を抱いた
看護婦さんが、私の元へ来た・・・??「え??もう産まれたの??」との言葉しか出ない私
あわてて、カメラを用意してパチリ!!もう一枚パチリ!!感動の長女との対面は、あまりに突然やってきたため、
心の準備が出来ず・・またまた情けない父親を見せてしまった・・・

そのご、しばらく待つと「中に入っても良いですよ!!」と言われ、白衣を着て、分娩室に入る
中には、横たわるかみさん・・でも、以外に元気そうだ!!出産があまりにも軽すぎたのか・・・
無機質な表情で私をみて・・「白衣が似合わない」一言いいやがった・・!!
「とにかく、おつかれさん・・」等の言葉しか思い浮かばない・・
ふと後ろを見ると・・そこには、3年前ここで産まれた、長男武尊にうり二つの女の子がいた!!
はじめて、まじまじと見る我が娘は、これから待ちかまえている、様々な喜びや悲しみ・・それを一緒に乗り越えていけると
確信できるような・・会話ではないが・・何かが伝わってくるのが分かる。
元気に手や足を動かし・・いままさにこの世に生を受けたばかりの激しい鼓動が伝わって来るかのような、
元気な赤ちゃん・・・強いママと、やさしい兄と、たよりないパパと他にも沢山の人たちとみんなで楽しく生きていきましょうね!!

2001年9月28日
山田 尊弘