1998年9月25日・・午前11時14分・・ついに、我が家に長男誕生です!!

24日の朝、おしるしと言う現象がおきたらしく
「今日か明日にでも、生まれるかな??」
なんてさらっと言う、かみさんの言葉に、多少なる驚きを感じる
なんせ、予定日はまだ、1週間も先のはずである・・・
「大丈夫か?なんかあったら携帯に電話しろよ」等と捨て台詞をはき
仕事に向かう私・・・・かなり、不安である。

こんな日に限って、仕事は遠方の現場・・・
昼休みどころか、夕方早めにも帰れない状況に置かれた(涙)

現場についても、仕事が手に着かない私・・・
養豚場の休憩所に水道管をひく、内容の仕事だった。

突然の豪雨などあり、心配がさらに増す・・・

大工さん&ユニットバス屋さんの都合で、一部の仕事が延期になったおかげで
思いの外、早く仕事はキリ上がった!!

「携帯電話に連絡がないので、大事は無いのかな??」
等と考えつつ、帰りの道中がもどかしい。

うちに帰れば、案の定、
「今日は、うまれないわ」・・・
と言う、かみさんと実母の言葉。

内心
「ほっ!!」とする・・・・・が、「なあんだ・・」と言う、複雑な気分である

でも、出産が近いのは確からしい・・


その日(24日)の晩・・午後9時頃より、陣痛なる現象が始まったらしい!!
「陣痛の痛みは、こんなもんじゃないはずだから・・・陣痛かどうかわかんない!」
かみさんの言葉は、なおいっそう私を不安にする。

それにしても、妊娠&出産ほど、ファジーな世界はないと思う。

・「陣痛の痛みって、どんなもん??どんくらい痛みが続くんだ??」
・「生まれそうな時って、最初はどうなるの??」
・「分娩室に行けば、すぐ生まれるンか??」

等々、男にはとうてい理解のいきを逸脱するような、私の問いに対して
かみさんから帰ってくる言葉は、きまって

「人それぞれだから、わかんない!!」・・・これである。

「だから!!お前はどうなれば、もうすぐ生まれるって分かるんだ??」
私が、問い返す。

「産んだこと無いもん!!わかるわけないでしょ!!」・・もっともである・・


そんなこんなで、どうやら午後10時現在で、規則的な痛みが起こり始めたらしい。

産婦人科では
「5分間隔になるまで、家にいて下さい」等と、冷たく言われるらしい。
だが、家のかみさん、なにを思ったか・・家から遠い病院を選んでしまっているので
10分間隔になったら、家を出ることにした。

だが、午前12時を回った頃、陣痛は治まってしまった・・・

とりあえず、今晩は眠ることにした・・

私もかみさんも、なかなか寝付けない、・・・・
だが、私は薄情者で、午前2時を待たずして、熟睡してしまったらしい

かみさんも、そのときは寝ていたらしいが・・・


25日午前5時頃から、また陣痛が始まる!!

かみさんが、テーブルの上に残した間隔を記録したらしいメモを見る限り
約10分間隔らしい・・・

午前7時、薄情な旦那(私)が目を覚ます

状態を聞けば
「まだ大丈夫だよ、いま病院に電話したらとりあえず来て下さいだって」

病院に行けば、少し安心である・・・

そのときの、状態限りでは
「産まれるのは、明日かな??」と思わせるほど
かみさんは、落ち着いている。

「そんなら、今日は仕事行くか」・・・従業員の少ない自営業手伝いの私は、仕事を休めない
「とりあえず、母ちゃんに連れてってもらえな」と私の強がりの言葉。
だが、本心は一緒に病院に行きたい・・・
そんな、私の心を読んだか・・社長(親父)&母は、
「仕事は心配ないから、一緒に病院に行け」相変わらず、親には敵わない・・・

7:30家を出発、母親も連れていく・・・

8:30、病院到着!!受付に行く。

まもなく、診察室に向かう、家のかみさん・・・落ち着き無く、待つ私・・
その点、母親は落ち着いた物である!!さすが年の功である。

診察の結果
「だいぶ進んでいるので、入院だって」・・・おいおいマジかよ!!

病室に着いた・・かみさんの言葉は
「7センチ位、開いてきたから、もうちょっとだって」・・なんのことだろう??
どうやら、赤ん坊の出口の大きさらしい
「10センチになれば、産まれるらしいので午後かな」・・かなり辛そうに言う。

産道が開くまでが、かなり痛むらしい・・・
腰をさすり、
「がんばれ」と言葉をかけてあげるくらいしかできない私・・・
陣痛が2分間隔になる。

10:30・・かなり痛そうな、かみさんの顔・・
相変わらず、かみさんの腰をさすり続ける私・・ほどんど半泣き状態でさすり続ける。
言葉も、相変わらず
「がんばれ!!」と言う言葉しかでない・・

10:40・・ナースコールがなる、
「山田さーん、処置室へドーゾ」・・ナースの声
どうやら、すすみ具合を見るらしい
処置室へ向かうのも辛そうな奥さん・・・かみさんの手を引くしか出来ない私・・

処置室に入りまもなく、看護婦が出てくる
「分娩室に入りますねえ!!(微笑み)」・・看護婦が言う
病室に母親を呼びに行く私・・・
「分娩室に入るって!!」・・思いがけない私の言葉に、驚きの表情の母

分娩室前に行くとすでに、かみさんは分娩台に乗っているらしい・・・

落ち着き無く、ウロウロする、私と母親・・他人が見れば変な親子に見えたろう(汗)
そんなことは、気にしていられない、廊下をウロウロ・ウロウロ・・・

テレビドラマの同じようなシーンを思い出す!!
「俺って、かっこいいかも」・・妙なことを考え始める私、決してかっこよくはない。

とりあえず、父親にだけ連絡を取る
「よーちゃん今、分娩室に入ったよ」
遅ればせながら<よーちゃん>とは、かみさんの事である。

「そうか、産まれるか」・その場に居ないだけあって、かなり冷静な電話の先の父親の声
実は、かなり焦っていたと思うが・・・

「分娩台に乗ってから、どんくらいで産まれるの?」・・私の問いに母は
「2時間くらいかな??」・・おいおい、聞いてないよ
「そんなに、苦しむんか??・・5分ぐらいだってきいたぞ」・・不安がさらに増す私・・
ほんとに、出産はファジーである・・

新生児室の他の赤ん坊の鳴き声が聞こえる度に・
「産まれたか??」と私・・
「今の声は、違うだろ・・」と母・・
相変わらずウロウロ状態の怪しい親子・・・

時折、分娩室の会話が聞こえる・・よーちゃんのうめき声も混じって聞こえる・・
私たち母子は<半泣き状態の怪しい親子>に変わる。

会話を耳を澄まして聞いていると
「もうすぐですよ!!」・「深呼吸して!!」
等の生々しい、看護婦の声。

「おいおい、もうすぐだってよ!!」・・興奮状態の半泣き親子相変わらずウロウロ

時計の針は、11:10・・分娩台に乗り、まだ15分ほどである。

まもなくして”11:14分”、
「ウギャー・ウギャー・ウギャギャー」と言う、産声が聞こえてきた
明らかに、すでに産まれて新生児室にいる赤ん坊よりも大きい声である。
すべての不安を蹴散らすかのような
まさしく<けたたましい>と言う言葉がピッタリの、元気なとても元気な産声である。

「3344gのとっても元気な男の子ですよ!!」・・ありきたりの看護婦の言葉に、ホッ!!として
言葉をなくす、半泣き親子!!力が抜けるとは、まさにこのことである。

しばらくして、看護婦に抱かれて<我が子>の登場!!
初のご対面である。

かける言葉が見つからず、ただただ我が子を見つめるしかできなかった。

「赤ちゃんも奥さんも元気ですよ、でも2時間ほど休憩室に入りますから会えませんが」
おいおい、2時間もか??

とにかく、よーちゃんが心配である、普段より痛みには弱い奥さん・・・
大丈夫だろうか??

とにかく、家族や友人に電話をかけまくる私・・・

2時間も余裕があるので、母親をいったん実家に帰す事にする。
それにしても、母親が居てくれてとても助かった・・感謝の言葉もない。


2時間後・・PM1:30休憩室からよーちゃんが出てくる。
かなり、辛そうだが元気ではあるようだ・・

多少貧血を起こしたらしく、車椅子での登場!!
「心配ないから!!」と言う看護婦

よーちゃんの無事な姿を見て、ホッ!!とした私・・
かける言葉が、沢山あったはずなのに、
「よくがんばったね!!」と言う言葉しか出なかった

それにしても、今まで姉や友人が出産した直後の姿を見たが、
よーちゃんが一番元気である!!

改めて、よーちゃんの強さが分かった瞬間である。

とりあえず、今はゆっくり休んで欲しい・・

すでに、病室に居たよーちゃんの兄貴とともに、改めてじっくり我が子を見る
新生児室に居るので、ガラス越しではあるがまぎれもなく、私の息子である。

誰に似たのか・・私には私の親父ににている気がした!!
髪の毛が少ないせいかもしれないが・・・・
とにかく私の子供である!!
感動がこみ上げる反面、なかなか実感がわかない・・・

あとから駆けつけた、よーちゃんの友人の気遣いで、子供を抱かせてもらう
初めて抱き上げる我が子・・・やはりかける言葉が見つからない・・
ただ、不器用に抱く私・・私の半泣き状態をビデオに収めようとする友人・・・


両家の親&兄弟が駆けつける・・思いの外元気なよーちゃんを見て安心・・
孫の顔を見て、にっこり!!
特によーちゃんの親には、初孫である・・嬉しいはずだが照れ隠しで
平静を装うよーちゃんの父親・・
自分の時の体験談をよーちゃんに話す母親・・

私の親も、かなり嬉しそうに赤ん坊を見つめる・・
私の姉も、大喜びである!!
姉の子も、弟が出来たような喜びようで、いまいち状況が把握できないらしい。

そんなこんなで、時間が過ぎていく・・・
家族は、一足先に家路についた・・さっきまでの騒がしさが嘘のような病室・・

出産後、初めて二人きりになる、私とよーちゃん・・

「痛いか??大丈夫か??よくやったぞ」・・頭をなでてやる私・・
まだ、動き回れることが出来ないよーちゃんではあるが、かなり元気になった
おなかを撫でる癖が抜けないらしい・・

病室に泊まってやりたかったが、
「かえっていいよ!!」と言うかみさんに従い
面会時間終了まで居て、家路についた・・

家について、結婚後初めて一人になる・・・

洗濯&洗い物等、普段よーちゃんに任せきりの家事を一人でしてみる・・
「こんなに大変なことを、毎日やってるのか!!??」・・
またまた改めて、よーちゃんの偉大さが、身にしみてくる!!

長い一日が終わった・・

よーちゃんや支えてくれたたくさんの人への感謝の気持ちはとても
書ききれない・・・本当にありがとう

丈夫で元気な子供を産んでくれたよーちゃん・・・
本当にありがとう!!お疲れさまでした!!これからは3人でがんばろうな!!

そして、我が子へ・・産まれてきてくれてありがとう!!
これから、たくさんの試練があるだろうけど、強く強く生きて行こうな!!
お前を産んだ強い母親と、なにもできなかった情けない父親だけど
楽しく暮らしましょうね!!
これからは、よろしくお願いいたします。


1998年9月26日
山田 尊弘